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腐女子な管理人による徒然ブログ。
2024/11
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 もうすぐ1万HITです! ぁわわ…ありがとうございます!! なんかお礼企画とかしたほうがいいんでしょうかね…? して欲しいと言ってくださる方がいらっしゃるなら、しようかなぁと思います!

 で、今回の番外編は今までちょこちょこ小出ししていたルルとホクトのお別れの話。短い話ですが、書いておきたかったので…まるっきり趣味ですね! すんませ;



 それでは続きからどうぞ~





Eternal trinity  番外  【振り返れない】




 ホクトがその目を初めて開いたとき、その瞳が常盤だということがとても嬉しかった。愛したスザクと同じ美しい生命の輝きを持つその色彩が酷く愛しかった。自分と同じ皇族を示す紫電でなくて本当に良かったとルルーシュは思った。
(この子は皇族の宿命からは逃れられる)
 皇族であること、それは大きな力でもあり、大きな枷でもある。諸刃の剣なのだ。ルルーシュが破壊の道しか選ぶことが出来なかったように大きな闇が皇族には纏わり付いている。過去に流した血と怨嗟の数だけそれらはある。
「ホクト…どうか幸せに」
 これからの世界でどうか幸せになって欲しい。隣に自分はいないけれど。
(この世界を作るために出来た罪は、私が全部持っていくから―――)
 だから、どうか幸せに。
「あー、うぁ!」
 ホクトが小さな手を必死で伸ばし、ルルーシュの頬に触れた。ホクトはルルーシュと目が合うと、きゃっきゃっと無邪気に笑う。ルルーシュは思わず零れそうになる涙を堪えて、精一杯ホクトに笑いかけた。
「いつまでも笑っていて、ホクト」
 この先に待ち受ける別離を知らない小さなホクトはルルーシュの言葉に返すように、笑う。



 今日は約束の日。ゼロの処刑の日だ。
 ルルーシュは久方ぶりにゼロの衣装に身を包んでいた。仮面を抱えて、ホクトとの最後の別れを言いに来ていた。
 何度も何度も愛おしそうに名残惜しそうに頭を撫でるルルーシュの姿をホクトは不思議そうに見上げていた。その様子を騎士団のメンバーは悲痛な面持ちで見守っていた。
「では行こう。ラクシャータ、ホクトは任せた」
「…はいよ」
 処刑に立ち会わないラクシャータにホクトを任せ、ルルーシュはくるりと背を向け歩き始めた。突然離れていくルルーシュにホクトは四つん這い――所謂ハイハイで懸命にその後を追おうとする。そのホクトの姿にカレンは思わずルルーシュの袖を引く。
「ねえ! 本当にこれでいいの!?
 折れそうな細い肩に重い重責を背負って、愛する男すら敵に回してまでも優しい世界を築いた彼女が唯一望んだのはホクトだ。ホクトはこれから成長していくだろう。言葉を喋るようになり、歩くようになり、いずれルルーシュの背を抜かす日が来るのだろう。それをもう見ることが出来ないのだ。
(そんなことあっていいの?!)
 どうしてルルーシュだけがこんなにも苦しまなくてはならないんだろうか。カレンは裾を握る手に力を込めた。
「いいんだ」
「でも…ッ!」
 カレンの必死の静止にもルルーシュの歩みを止めることは出来ない。ルルーシュの足が部屋の外に踏み出そうとしたその時――

「まーま」

 聞くことは出来ないと思っていたホクトの初めての言葉。それは自分を呼ぶ言葉で、ルルーシュは思わず歩みを止めた。

「まんまっ」

 再び聞こえた声にルルーシュは肩を大きく震わせた。ホクトの手がルルーシュに向かってまっすぐに向かって伸ばされる。けれど、ルルーシュは振り返らない。振り返れないのだ。
 振り返ってしまったら、決意が崩れ去ってしまう。もう離れたくないと泣き叫んでしまうだろう。だから、ルルーシュは振り返れない。耐えるようにルルーシュは唇をぎゅっと噛み締めて、掌を血が滲むほどきつく握り締めた。
「ルルーシュさま…!」
 神楽耶は無邪気に母を求めるホクトの姿も、必死で自分を押し殺しているルルーシュの姿も、どちらも見ていることが出来なくて縋るような声でルルーシュの名を呼んだ。もし彼女が今この瞬間に処刑を嫌だと言って頼ってくれればいいとすら思った。そうすれば、自分達の全てにかけてこの2人を守って見せるとさえ思えるのに。
 しかし、ルルーシュは頑なに他者の手を受け入れない。誰にも手を差し出しても、ルルーシュが誰かの手を受け入れることはないのだ。――きっと、1人の例外を除いて。
(ああ、どうしてそれがあいつなんでしょう! どうして!?)
 悔しくて神楽耶は目頭が熱くなるのを感じた。

 ―――離れたくないのだろう? 
 ならば全部投げ出してしまえとルルーシュの心のうちで甘い誘惑の声がする。でもそれに答えるわけにはいかなかった。辛くて、哀しくて、泣きたかった。
(でも、まだ泣けない…私は―――!)
 自分の心を押し殺すように、ルルーシュは深く息を吸った。抱えていたゼロの仮面を慣れた手つきで付ける。
「行くぞ」
 声が震えないように出来るだけ慎重にルルーシュはそう言い、もう一度歩き始めた。自分の死が待つ場所へと、自らの足で。








    酷い母親でごめんなさい。 抱き締めてあげられなくて、ごめんなさい。

    でも、でも、おまえを愛していることだけはいつまでも変わらないから―――。







 ******

 10ヵ月ってちょうどハイハイしたり、掴まり立ちしたり、喃語を話し始める時期なんですよね。

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Comment :
 
11/14 ここな
涙涙のお話でしたーー(T_T)

これ、番外編じゃなかったら耐えられなかったかも(笑)
今はもうハッピーエンドと分かっていますからねvV

ルルーシュの強さ(弱さを押し殺した)と決意に派脱帽です。


ルルーシュとホクトは勿論ですが………

残された騎士団の面々も辛かったと思います。
何せ、ルルーシュを知り、残されたホクトを見ていかなければならないのですから……



ここな、10ヶ月にはもう歩いていたらしいです。
ホクトの成長は普通で、本当に良かったと思います。
あそこのシーンは、“はいはい”だからいいんですよね!!
(↑シリアス台無し)


もうすぐ1万hitとの事で……

おめでとう御座いますvV

キリ番は是非私が………!!!!


企画、して欲しいですーーvV
>これ、番外編じゃなかったら~
 ハッピーエンドじゃなければみんな悲しすぎますよね…。ルルの強さと弱さは表裏一体だと思います。強さであり、弱さでもある、そんな感じが伝わったようで嬉しいです!
>残された騎士団の面々も~
 ルルーシュの思いを知るからこそホクトを大切に育ててくれたと思います。いつもにぎやかな騎士団ですが、ホクトに見せる笑顔の裏で辛さを噛み締めていたんでしょう。
>ここな、10ヶ月にはもう~
 ホクトの成長は平均値で書いてあります。歩くのは満1歳前後からですから、10ヶ月で歩いてても問題なしですよ!(笑) よちよち歩きで初めて歩いた!でもあのシーンは良かったかも。あ、でもルル振り返れないから見れないのか。困ったなぁ…
>もうすぐ1万hitとの事で~
 ありがとうございます。ここなさまのコメに励まされ企画してみました。よかったら参加くださいませ♪
11/15
こんな悲しい別れだったなんて・・・!!
辛い、辛すぎます!!
ホクト君はほんとに幸せ者ですよ。こんなに優しい人たちに育まれて育ったんですから!!

ルルーシュはもちろんのこと騎士団のみんなの優しさに触れられた気がします。

みんないい人だ・・・。

この後あんな悲しい出来事が起こるんだと思うと涙が止まりません。

そしてもうすぐ1万hitおめでとうございます。
 コメントありがとうございます! 明日への活力です!!
>ホクト君はほんとに幸せ者~
 そうやってホクトを幸せにしてくれる人達がいるからこそ、ルルはホクトを手放すことが出来たんだと思います。母が死んで苦しんだルルーシュがまったく同じ事を子供に強いろうとは考えないはずですから。
>ルルーシュはもちろんのこと~
 優しさを文の中で表現できたら…と思っていたので、そう言って貰えると嬉しいです!
>そしてもうすぐ1万hit~
 ありがとうございます!! これからも頑張りますのでよろしくお願いします♪
11/16


material by アルフェッカ

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