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腐女子な管理人による徒然ブログ。
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 原稿の締め切りが刻一刻と迫っております。焦ってます。棗です…orz
 B.M.W.のユフィの嫌われっぷりに思わずフイタ! ま、でも、嫌なキャラに書いているので仕方ないかなぁ…たぶん、この連載ではユフィはもっと嫌われることが明白です。ごめんね、ユフィ

 公式小説3巻についても誤解を与えてしまいスイマセン…良いシーンも勿論ありますよ! ただ私的に「私を好きに~」の下りのスザクの思考や、その会話をルルーシュが実は聞いていたってことで頭がいっぱいになってしまいまして…(ネタバレ注意) あくまで私個人の感想なので人それぞれ感じ方は違うと思います;

 それでは続きから17話へどうぞ!




Burn My World 17




 スザクは愛想笑いを浮かべながら、どうして自分がこんな状況に置かれているのかと必死で考えていた。目の前にいるのはユーフェミア。第3皇女にして高位の皇位後継者、本来ならスザクが話すことすら許されない相手と、何故こうして向かい合っているのだろうか。
「あ、あの、ご用件とは…?」
「わたくしスザクにお願いがあって」
「お願い、ですか?」
「はい。スザク、わたくしの騎士になってくださいませんか」
 ちょっとそこの荷物を取って、そんな調子で言われたユーフェミアの言葉が理解できず、スザクは固まった。
「騎、士…?」
 誰が、誰の? そんなスザクの困惑を読んだかのようにユーフェミアはにっこりと笑みを浮かべて再び言葉を投げかけた。
「スザクにわたしくの騎士になっていただきたいの」
 唐突な申し出をようやくスザクは理解するが、感情が追いつかない。1度会っただけのユーフェミアが自分を騎士にと望む理由など見当が付かないし、それにユーフェミアの騎士になる自分をスザクは想像出来なかった。
「でも、僕は…」
「ルルーシュのことを気にしているの? 大丈夫、ルルーシュはいいと言っていましたわ!」
「……ッ!」
 その言葉にスザクの胸が酷く痛んだ。出逢って、時間を経て、ようやくルルーシュとスザクとして向かい始めたというのに、ルルーシュは自分が離れていってもいいというのか。そのことが悲しくて仕方がなかった。
 痛みに耐えるようにスザクはぎゅっと拳を握る。力の入れすぎか、それとも心の揺れを映したのか、拳は震えていた。そんなスザクの拳をユーフェミアの白い手がそっと包み込むように掬い上げる。
「それにわたくしの騎士になれば今よりも立場が良くなります。スザクの故郷のためにも力が必要でしょう?」
「僕、は…」
「スザクは故郷のために軍に入ったんでしょう」
 確かに最初はそうだった。繰り返し見る夢に、癒えない空虚。それを埋めるために日本のためなんて陳腐な嘘をついて、軍に志願し、ナンバーズも優遇される黒の騎士団に入団を希望した。
(けど、僕は…)
 ルルーシュと出逢って空虚な心は満たされた。ルルーシュを知って自分は『枢木スザク』になれた。守りたいと、支えたいと思った。これは、スザクとしての感情。例えその思いが一歩通行だとしても、その思いは揺らがない。
 スザクはユーフェミアの手をそっと押し、手を離させた。まっすぐにその瞳を見る。
「…申し訳ありません。僕なんかを騎士にと望んでくださったこと、光栄に思います。でも、僕はユーフェミア様の騎士になることは出来ません」
 望むのは力じゃない、たった1人の――ルルーシュのためにただ在りたいのだ。
「どうして?」
「え、」
「どうして、そう思うの?」
 ユーフェミアの騎士になったら、ルルーシュを守れないから。答えはこんなにも簡単なことだ。でも、どうして、ルルーシュを守りたいと強く願うのだろうか。
(それは、僕が…――あの人を 好き、だから)
 心の内で零れた言葉はカラカラのスポンジが水を吸うかのような勢いで、身体を巡っていく。スザクはそこで初めて自覚した。
(僕は、ルルーシュ殿下のことが好きなんだ)
 好きだから、守りたいと支えたいと願う。好きだから、傍にいたい。そんな当たり前の感情がスザクの全てだった。
「ルルーシュ殿下が僕を必要としていなくても、僕が仕えたいと思うのはあの方だけなんです。だから、ユーフェミア様の騎士にはなれません」
「…そう」
 ユーフェミアは思案顔でしばし俯いて、再びゆっくりと顔を上げる。そこにあるのはいつもと変わらぬ笑み。
「わかりました、スザクを騎士にするのは諦めます。…またお会いしましょう?」
 去っていくユーフェミアをスザクは見送り、自身も宿舎へと帰ろうとしたその時、よく知る気配が近くにあることに気が付き、振り返った。
「殿下…?」
 気まずそうに視線を逸らすルルーシュ。どうやらユーフェミアとの会話を聞いてしまった様子だった。
「……おまえが断って俺に皺寄せが来るとか考えなかったのか」
 その言葉によくよく考えてみればユーフェミアは現時点でルルーシュより皇位の皇位継承者だ。スザクの取った行為が主の責任だと非難されれば、当然ルルーシュに迷惑を掻けることになるであろう。
「…すみません。でも、僕は貴方にしか仕えたくない。殿下が僕を必要としてくれなくても…」
「俺は…おまえのことを必要ないと思ったことなんてない」
「え――…?」
 俯いて視線を上げれば、ルルーシュはいつの間にかスザクに背を向けていた。
「勘違いするなよ。ランスロットの能力を手放すのは戦力的に痛いというだけだからな…!」
 漆黒の髪の間から見える白い耳が何故だが赤く染まっていた。これは、少しは自惚れてもいいのだろうか。ほんの少しでもルルーシュがスザクを必要としてくれていると、傍にあることを望んでくれていると。
 あまりの嬉しさに目頭がカッと熱くなっていった。溢れようとする涙に構うことなくスザクはルルーシュの背に声を掛ける。
「…は、い。お傍に、いさせ…て、ください…ッ」
 涙声に驚いたのかルルーシュは振り返り、そしてボロボロと泣くスザクに驚き目を見開いた。しょうがないなと言わんばかりの苦笑を浮かべて、ルルーシュの手がそっとスザクの髪をやさしく撫でる。


( ぼくは あなたが だいすき です )







 ******

 ある意味ユフィgjなスザクの自覚でした(笑)
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01/27 ここな
つんでれるる、可愛いですーーvv

そしてそして!ユフィのお陰で(笑)、また1歩進展!ですねv
スザク、頑張った!
でも、泣いたら駄目じゃん!ここでルルーシュを抱きしめてあげないと!!!(でも、幼馴染でない主従だと無理か/笑)
そこがこのスザクのいい所でもあるんですけど(笑)

それにしても、書き手になってみて思ったのですが、ユフィ程動かしやすいキャラはいませんね!(笑)
悪者から善者まで自由自在!!

さて、今日もスザルルの為に頑張って下さい!!(笑)
>つんでれるる、可愛いですーーvv
 いつかルルに言わせたかったツンデレ台詞でした!可愛いといっていただけ嬉しいです!!
>でも、泣いたら駄目じゃん!ここで~
 抱き締めるは考え付きませんでした…orz どっちかというとルルがスザクを抱き締めそう…あれ、スザルル連載なのにな? 実はこのB.M.W.生まれ変わり設定か幼馴染設定かにするか最初迷ってたんですよー。幼馴染だったらスザクがもっと男を見せたかもしれません(笑)
>それにしても、書き手になってみて~
 そうなんです!無知な聖女から希代の悪女まで変幻自在(オイ) スザルルのためにユフィには頑張っていただきます★
01/29
01/27 紗鳳寺 のえる
>確かにキララクはいいんだけどなぁ…。獅子の娘は大嫌いでした。
 ユフィ単体はそこまでではないんですが、スザユフィだと…そういえばアスカガも好きではないことを思い出しました(苦笑)
 私も、獅子の娘もアスカガも「大嫌い」とまではいきませんが、嫌い,苦手ですね。
キャラの第一印象だけなら、スザユフィって、キララクっぽいですが、実際のキャラの「中身」を考えた時、アスカガだと思います。
 スザク,アスラン→自分と違う他者の想いや考え等を完全否定し、認めようとしない。
 その癖に、自分の想いや考えは認められたいと想っていて、押し付けたがる点。
 ユーフェミア,(種~種前半の)カガリ→直情傾向で「視野の狭い盲目」さからくる行動。他者の話を聞かない点。
因みに、
 ルルーシュ,キラ→自分と違う他者の想いや考え等を認め、受け入れる。
とすると、ラクスは凛とした芯の強さはナナリー(引いては、マリアンヌ様?)で、カリスマ性溢れる策略家な所は、ネリ様&シュナ様辺り?かと…。

>「ルルーシュのことを気にしているの?大丈夫、ルルーシュはいいと言っていましたわ!」
誰も「いい」なんて言ってないじゃないですかねぇ。
確か、「スザクを『物』扱いするな」って点と「スザクが「いい」と言えば」って事でしたよね。
なのに、何曲解させてるんですか!
彼女、スザクを自分の騎士にする為に言うべき事を言わないで、言わなくていい事を言ってる…って感じ。
 まぁでも、(その気はなかったでしょうが)スザクの自覚を促してくれたので、その点だけはGJ(>v☆)b
>キャラの第一印象だけなら~
 紗鳳寺さまのキャラ考察に思わずうんうんと頷いてしまいました。種はギアスほどハマらなかったので、そこまで考えていませんでした。「こいつダメだ、嫌い」程度(子供の好き嫌いか!笑)
>誰も「いい」なんて言ってないじゃないですかねぇ。
 そうなんです。あの言い方だとルルがスザク別にいらないって言ってるみたいですよね。この歪曲した話し方は天然でも作りでも怖いです。
>まぁでも、(その気はなかったでしょうが)~
 あのにぶにぶが自覚するのには必要不可欠でしたね、スザルル的にはgj★
01/29
01/28 伽羅
スザクが地位や名誉より真に使えたい人物・ルルを選んでくれてよかった~。
TV版のようなおろかな選択しなくて良かった~。

しっかし、自分よりルルを選んだからって、
あっさりと身を引くお飾りはやっぱり「騎士」をオトモダチ程度にしか考えてないんですね~。

追々このお飾りにも騎士が付くんでしょうけど一体どんな物好きが付くのやら…仕えた後すっごい後悔しそうだ、その騎士。

なにはともあれ良かった良かった♪
お飾りよ、スザクを自覚させてくれてありがと!そしてご苦労様でした。
>スザクが地位や名誉より真に使えたい~
 スザクがユフィの騎士を断るエピソードはこの騎士皇子の私的テーマソング「Play/水城奈々」の歌詞「僕は力はいらないよ たった一人を救えるなら」を聞いたときから決めてました。地位や名誉なんて力はいらないだ!言わせてすっきりしました(笑)
>あっさりと身を引くお飾りはやっぱり~
 ユフィがどうしてあっさり身を引いたのかその真相は今後明らかになる予定ですが、ユフィが騎士を正しく認識していないというのは確かです。ネタバレになるのであまり言えませんが…
>お飾りよ、スザクを自覚させてくれて~
 やっぱりそこはユフィGJ! ユフィがいなかったらずっと進展しないかもしれませんでした(苦笑)
01/29
01/29 莉沙
わぁ~ますます面白い展開になってきました
前回とか読んで、もしかしてスザク断れないんじゃ…なんて心配してましたが、
えらいょスザク!ちゃんと断れて良かった

何より、ルルに必要とされてるのがわかって、
嬉しくて泣いちゃうスザクが、かなり好きです(笑)
ユフィの騎士もちゃんと断れて、気持ちも自覚して、
この連載のスザクはルルを悲しませないだろう…と安心して見ていられ…
…ませんか?(笑)

連載の伏線なのでしょうが、
ユフィが大して接触のないスザクを、何故 騎士にしたいと思ったのか…が気になります~
スザクも不思議がってますよね?まだ謎かな?
ユフィがルルの事をどう思っているのか、というのも…
好き?にしては、スザクにちょっかい出すのはイジワルなような…
好き、だからこそ??
15話の「ルルーシュは騎士を持たない」という意味や、ユフィについては謎だらけで、ドキドキものです。

しかし、嫌なキャラ設定…と最初から言われてますし、、読むの怖いような…(((;゚Д゚))))
でも続きが気になって、楽しみなジレンマです!
ルル様大丈夫でしょうか…
あの…お手柔らかにお願いします(笑)
>前回とか読んで、もしかしてスザク断れない~
 ここは断らなくてはスザク、フルボッコですよね! 途中流されかけたけど、ちゃんと断れました枢木スザク!
>何より、ルルに必要とされてるのがわかって~
 やつは勝手に泣き出しました。よほど嬉しかったようです(笑) そうですね、確かにこの連載のスザクはルルを悲しませないかもしれません(無駄に意味あり気発言)
>連載の伏線なのでしょうが、ユフィが~
 相変わらずといいますか、莉沙さまはキーポイントを見つけるのがお上手ですね、思わず苦笑してしまいました。ユフィが何故スザクを騎士にしようと思ったのか、ユフィがルルをどう思っているのか、など全部今後の展開の大事なところなので、今はまだ何もいませんね;
>ルル様大丈夫でしょうか…あの~
 莉沙さま優しい!ルルも莉沙さまが作者だったら幸せだったろうに(笑) 愛するが故の鬼畜★どえすな作者でごめんね、ルル!
01/29


material by アルフェッカ

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